内臓脂肪Q&A

 

更年期以降は太りやすくなるって本当?

「最近太りやすくなっちゃって。それに、コレステロールも高くなってねえ……」とは、閉経を迎える女性によく聞かれる話ですが、それはいったいなぜでしょう?

大きな原因としては、「女性ホルモンの量の変化」が挙げられます。更年期以降は女性ホルモンが激減するために、内臓脂肪型肥満の割合が増加してしまいます。なぜなら、女性ホルモンには悪玉コレステロールや中性脂肪の上昇を抑える作用があるため、その大事な働きを行なっている女性ホルモンが減少すると、内臓脂肪が増えてしまうんですね。

これが、更年期以降に中性脂肪やLDL-コレステロールが増加しやすい、つまり、脂質異常症(高脂血症)になりやすい理由です。となれば、より一層、食事に注意し、運動する習慣を継続しないといけません。脂質異常症は自覚症状がないため、血液検査で定期的に状態を調べておくことも大切です。また、若いうちから内臓脂肪がつきにくい生活習慣を身につけておくことが、閉経後に急に脂肪を増やさないための予防にもつながります。

更年期で心配なことは、もうひとつあります。それは、骨粗しょう症へのリスク。つまり、骨の量です。

骨の発育には、女性ホルモンとカルシウム、そして、日光と適度な運動が必要です。更年期以降は女性ホルモンが激減するため、骨をどんどん作っていくことは困難となります。むしろ、これ以上減らないように努力することが大切な時期。言いかえれば、更年期までに(女性ホルモンが激減する前までに)、しっかりと骨を作っておく必要があるのです。

女性ホルモンが減少すると、骨量のコントロールが困難になることはしょうがないこと。その前に、「きちんと食べ、しっかり動く」を実践し、骨をしっかりと作っておきましょう。

監修:医学博士 福田千晶 先生